中国調達は「仕入価格」から総コスト管理へ
財務省・税関は2026年8月28日に7月分貿易統計の確速値を公表した。中国は引き続き日本にとって最大級の輸入相手であり、電子機器、通信機器、機械、衣類、家具、日用品など幅広い商品が日本市場へ供給されている。日本企業が中国調達を評価する場合、工場の提示価格だけで採算を判断すると実際の利益と大きな差が生じることがある。
輸入時には商品価格に加え、国際運賃、保険、関税、輸入消費税、通関料、港湾費用、国内配送、検査、保管などが発生する。特に少量調達では国際運賃や通関関連費用が単価を押し上げる。FOB、CIF、DDPなどインコタームズの違いによって、誰がどこまでの費用とリスクを負担するかも変わる。
中国で売れる商品が日本で売れるとは限らない
輸入実務で最も注意したいのは、日本側の商品規制である。電気用品には電気用品安全法、特定の消費生活用製品には消費生活用製品安全法、無線機器には電波法、食品には食品衛生法、化粧品・医療機器には薬機法などが関係する場合がある。中国工場が「CE取得済み」「中国国内で販売している」と説明しても、日本の法令適合を意味しない。
2026年度の関税改正では急増する少額輸入貨物への対応も盛り込まれた。越境ECや小口直送を利用する事業者は、従来の運用が今後も同じ条件で継続できるとは限らない。税関制度の変更を前提に販売価格を定期的に見直す必要がある。
発注前に確認する事項
- HSコードと実行関税率
- RCEP等の原産地規則
- 日本で販売するための法令・認証
- 不良品・検査不合格時の返品条件
- 輸入者名義とPL責任
中国調達の競争力は工場単価だけでは決まらない。日本国内で合法的に販売できる状態まで持ってくるための費用と時間を含めた「着地原価」を計算し、発注前に規制適合性を確認することが利益を守る基本となる。