保税業者の管理制度を見直し
日本税関は2026年度の関税改正を受け、保税地域における貨物管理制度を強化した。税関が公表した改正内容によると、保税業者が関税法に従って適正に業務を行わなかった場合などに、税関が必要な改善措置を命じる「業務改善命令」が創設された。加えて、従来は基本通達に基づき運用されていた社内管理規定に代わり、保税業者が法令遵守のための手順や体制を定める「保税業務規則」を整備することが法律上の義務となった。
背景には越境電子商取引などによる少額輸入貨物の急増がある。大量の商品が短時間で保税地域へ搬入され、輸入許可後に迅速に配送される物流モデルでは、一件ごとの確認を人手だけで行うことが難しい。数量増加に対応できるシステムと内部統制の整備が税関行政上の課題となっている。
輸入者にも影響する委託先管理
保税地域を運営する物流会社や通関業者への規制であっても、輸入企業に無関係ではない。輸入者が商品名、価格、数量、原産国を誤って通関業者へ伝えれば、適切な申告はできない。特に中国から大量のSKUを輸入するEC事業者では、工場の商品名と日本側の商品マスターが一致せず、HS分類や申告価格の誤りにつながることがある。
海外サプライヤーが独自に実際より低い金額のインボイスを作成するケースにも注意したい。日本側輸入者は「中国工場が作った書類だから」とそのまま通関業者へ渡すのではなく、実際の取引価格、値引き、金型費、ロイヤルティーなど課税価格へ影響する要素を確認しなければならない。
輸入企業の管理ポイント
- 通関業者へ提供する商品情報を標準化する
- 輸入許可前貨物と許可後貨物をシステム上で区別する
- 多数SKUのHSコードを定期的に見直す
- インボイス価格と実際の支払額を照合する
- 委託先で法令違反が起きた場合の報告ルールを決める
越境ECの高速物流では、通関を物流会社へ丸投げする運用ほどリスクが高まる。税関による保税監督が強化される中、輸入者自身も自社データと委託先の申告内容を照合できる仕組みを整える必要がある。