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通商白書2026が「経済的威圧」を主要論点に 中国依存度は一次仕入先だけでは測れない

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通商白書2026、不確実性と経済的威圧を分析

経済産業省が2026年に公表した通商白書2026は、第1部で「動乱の中の世界経済」を扱い、不確実性の高まりや経済的威圧への懸念を主要論点として取り上げた。企業のサプライチェーン管理では、価格や納期だけでなく、地政学、輸出規制、重要鉱物、特定国への供給集中を経営課題として扱うことが定着しつつある。

日本政府は経済安全保障推進法の下で特定重要物資の安定供給確保を進めている。永久磁石、重要鉱物、半導体、蓄電池など、中国を含む海外供給網と密接に関係する物資が政策対象になっている。

日本企業から買っていても中国依存の場合

調達リスクを「中国企業からの直接仕入れ比率」だけで測ると、実態を見誤る。日本メーカーから購入するモーターの内部に中国製永久磁石が使われていれば、中国側の材料供給が止まった場合、日本メーカー経由で自社の調達も止まる可能性がある。

同様に東南アジアの工場から購入していても、原材料や部品、製造設備、精錬工程が中国へ集中している場合がある。完成品の製造国と重要材料の供給国は一致しないことが多い。

二社購買でも供給源が同じなら分散にならない

BCP対策として第二サプライヤーを登録していても、二社が同じ原材料メーカーから購入していれば根本的な供給源は一つである。二次・三次サプライヤーの情報を把握しなければ、本当の単一障害点は見えない。

重要製品についてはBOM、すなわち部品表を起点に、主要材料、製造国、メーカー、加工工程、代替可能性、標準在庫日数を整理することが有効である。全ての商品を同じ深さで調査するのではなく、売上・利益への影響が大きく、代替に時間のかかる品目を優先する。

物流と決済も供給網の一部

供給網は工場だけで構成されるわけではない。特定港湾、航空路線、船会社、銀行、輸出許可などへの依存もリスクとなる。中国から商品を製造・輸出できても、銀行決済や物流が止まれば日本企業は商品を受け取れない。

企業が次に行うべきなのは「中国依存を何%減らすか」という抽象的な目標設定ではなく、「この部品が60日止まったらどの商品が生産できなくなるか」を具体的に洗い出すことである。在庫積み増し、複数購買、設計変更、地域分散のどの手段が合理的かは、品目ごとに異なる。