7月分は8月28日に確速公表
財務省・税関は2026年8月28日、7月分の貿易統計について確速値を公表した。日本の輸出動向を判断する際には、速報値だけでなく確速・確報への更新を確認することが重要だ。貿易統計は通関ベースで集計されるため、企業の受注統計や国内生産統計とは対象時点が異なる。
中国は日本にとって主要な輸出先の一つであり、機械、半導体関連、化学品、自動車関連など幅広い商品が取引されている。中国向け需要が拡大する局面では売上増加が期待できる一方、電子部品や工作機械など一部商品では日本の安全保障貿易管理が関係する可能性がある。輸出数量が伸びている品目ほど、営業面と輸出管理面を同時に見る必要がある。
円ベース輸出額だけで景況を判断しない
日本企業が輸出動向を分析する場合、金額と数量、為替の三つを分けることが重要だ。円安になれば同じドル建て売上でも円換算輸出額が増えるため、金額の伸びだけでは実際の需要増を判断できない。また単価上昇によって輸出額が増えている場合と、物量が増えている場合では、工場稼働や物流への影響も異なる。
中国向け輸出では、日本から出せるかだけでなく、中国側で輸入できるかの確認も必要である。食品、化学品、医療機器、通信機器などでは中国側の登録・認証・輸入管理が適用される場合がある。RCEPを利用する場合には原産地規則を満たし、必要な原産地証明手続きを行う必要がある。
輸出実務で確認する項目
- 最新のHSコード・統計品目番号
- RCEP等の特恵税率を利用できるか
- 外為法上の該非判定とキャッチオール規制
- 中国側輸入者が必要な許認可を保有しているか
- 契約通貨と為替リスクの分担
日本から中国へ輸出する企業は、貿易統計の増減を市場判断の一材料として利用しながら、自社の商品については数量、価格、為替、規制を個別に確認する必要がある。特に大口受注では、輸出許可や中国側輸入手続きに必要な時間を納期へ織り込むことが重要になる。