第2四半期も4.3%成長
香港政府が8月14日に公表した2026年半年経済報告によると、第2四半期の実質GDPは前年同期比4.3%増となり、第1四半期の5.9%増に続いて高い成長を維持した。上半期全体では5.1%増となった。政府は上半期の実績が予想を上回ったとして、2026年通年の実質GDP成長率見通しを従来の2.5〜3.5%から3.5〜4.5%へ上方修正した。
経済を押し上げている中心は外貿易である。香港政府は、世界的なAI関連電子製品需要が貨物輸出を強く支えていると説明している。香港は製造業の比率が高くないが、中国本土やアジアで製造された電子部品や機器を世界市場につなぐ物流・再輸出拠点として重要な位置を占める。
7月輸出は50.7%増
香港政府統計処が8月25日に公表した7月の対外商品貿易統計では、輸出額が6725億香港ドルで前年同月比50.7%増、輸入額が6774億香港ドルで41.0%増となった。貿易赤字は49億香港ドルで輸入額の0.7%に相当する。1〜7月累計では輸出が40.9%増、輸入が40.6%増えた。
品目別では電気機械・部品、通信機器、事務機器・自動データ処理機器などの増加が目立つ。7月の中国本土向け輸出は56.5%増、中国本土からの輸入も37.1%増加しており、中港間の貨物流動が香港経済を強く支えている。
自由港でも通関手続きは存在
香港は一般貨物に関税を課さない自由港だが、税関申告や輸出入管理が存在しないわけではない。戦略物資、課税品、規制貨物にはライセンスや申告が必要となる。2026年5月1日にはTrade Single Window第3段階の第1陣サービスが開始され、40種類を超える貿易関連文書を一つの電子基盤で処理する仕組みが整備された。
香港経由取引では中国本土制度と区別
日本企業が香港を中国向け販売や再輸出の拠点に使う場合、中国本土と香港は別の関税地域であることを明確に理解しておきたい。香港への輸入が無関税でも、香港から中国本土へ再輸出すれば中国側の関税、増値税、輸入規制が適用される。反対に中国本土から香港へ搬出する場合には中国側の輸出管理が関係する。
香港経済の回復は日本企業に商機を広げるが、物流拠点、契約主体、決済口座、原産地、輸出管理を一体で設計しなければならない。2026年後半はAI関連貿易の持続性と中国本土との再輸出フローが香港景気を見る主要指標となる。