中国の外貿は高い伸びを維持
中国国家統計局が2026年8月17日に公表した1~7月の国民経済運行状況によると、2026年1~7月の中国の貨物輸出入総額は30兆1264億元で前年同期比17.3%増となった。内訳は輸出17兆4400億元で14.0%増、輸入12兆6864億元で22.0%増である。7月単月では輸出入総額が4兆6580億元で19.2%増、輸出が17.8%増、輸入が21.2%増となっている。統計上、中国の外需と輸入需要はいずれも大きく伸びている。
日本企業は「中国景気回復=すべての需要増」と考えない
中国市場を分析する際には、総額だけで判断しないことが重要である。1~7月の機電製品輸出は前年同期比21.2%増となり、輸出総額の63.8%を占めた。高付加価値製造業やデジタル関連分野が貿易を押し上げる一方、国内消費、不動産、業種別設備投資では異なる動きがみられる。中国向けに素材、部品、設備を販売する日本企業は、自社顧客の属する産業の生産、輸出、在庫、設備投資を個別に確認すべきである。
中国から調達する企業が確認したい項目
- 主要原材料の中国国内価格と輸出価格の差。
- 工場の受注残と実際の生産能力。
- 人民元建て見積もりとドル建て見積もりの条件。
- 原材料高騰時の価格改定条項。
- 輸出規制や税還付変更が販売価格に与える影響。
- サプライヤーの資金繰りと前受金比率。
輸出入額が増加する局面では物流量も増えるため、繁忙期のコンテナ確保や港湾混雑、リードタイムにも注意したい。また、中国メーカーが輸出市場向け受注を優先すると、日本向けの少量発注や短納期案件の条件が悪化する可能性もある。
中国販売では売掛金回収を重視
市場が拡大しているときほど取引先から掛取引や長期支払いを求められやすい。売上高だけでなく、回収期間、信用限度額、遅延履歴を管理する必要がある。初回取引では前金、信用状、段階払いなどを検討し、継続取引では与信枠を設定することが望ましい。特に代理店経由の販売では最終需要者の実態が見えにくいため、代理店在庫も定期的に確認したい。
2026年後半の判断方法
中国市場を「成長している」「減速している」という一言で評価することは適切ではない。業種、地域、輸出依存度によって状況は大きく異なる。日本企業は国家統計局、海関総署などのマクロ統計を入口にし、自社商品のHSコード別輸出入統計、主要顧客の販売状況、原材料価格、為替を組み合わせて判断するべきである。総額の伸びを商機として捉えながら、信用・在庫・規制の管理を同時に強化することが2026年後半の中国事業では重要になる。