輸入企業にも直接関係する物流法制
中国や香港から日本へ商品を輸入する企業は、国際輸送や通関だけでなく、日本国内の配送委託体制を改めて点検する必要がある。2026年4月1日、物流効率化法の特定荷主に対する規制的措置が施行されるとともに、貨物自動車運送事業法の改正によって違法な「白トラ」利用に対する荷主等への規制も強化されたためだ。
国土交通省によると、許可・届出を受けず白ナンバーの車両で有償貨物運送を行う違法な白トラ事業者に荷主等が運送を委託した場合、2026年4月から荷主側も新たに処罰の対象となる。違法な白トラ事業者を利用している疑いがある荷主は、トラック・物流Gメンによる是正指導等の対象にもなり得る。
「フォワーダーに任せた」だけでは足りない
輸入企業では、国際フォワーダーや通関会社に日本国内配送まで一括で依頼することが多い。しかし実際に荷物を運ぶトラック会社が誰なのかを確認せず、委託構造が多重化すれば、荷主から実運送事業者が見えにくくなる。改正法では貨物利用運送事業者にも荷主との相互の書面交付義務や委託先への書面交付義務が課され、元請の場合は実運送体制管理簿の作成義務も及ぶ。
さらに、貨物自動車運送事業者・貨物利用運送事業者には、真荷主から受けた貨物を他事業者へ委託する場合、委託段階を2次までに制限する努力義務が設けられた。輸入者も見積書上の業者名だけでなく、実際の配送体制を把握することが望ましい。
物流効率化法では荷待ち・荷役も管理対象
経済産業省によると、一定規模以上の「特定荷主」には2026年4月から中長期計画の作成、定期報告、物流統括管理者(CLO)の選任が求められる。報告では荷待ち時間と荷役等時間を分けて計測し、施設ごとの平均時間を把握する。輸入貨物の場合、港や保税倉庫を出た後の納品先で長時間の待機を発生させれば、物流効率を悪化させる。
中国からコンテナ輸入する企業では、船の到着日だけを追うのではなく、輸入許可、デバンニング、検品、パレット化、トラック予約、納品先の予約枠まで事前に組み合わせたい。配送車両が到着してから荷物を準備する運用を続ければ、待機料金だけでなく運送会社からの取引条件にも影響する。
- 委託する運送事業者の許可・事業形態を確認する
- 運賃、附帯作業、待機料などを書面で整理する
- 実運送会社が誰かを把握する
- 輸入通関前から倉庫・納品先の予約を行う
- 荷待ち時間を発生させている自社工程を定期的に測定する
国際物流の最終区間である日本国内配送は、今や「運送会社に任せればよい工程」ではない。中国工場の出荷予定から日本国内の最終納品までを一つの物流計画として管理し、適法な委託体制と効率的な荷役を両立できるかが輸入企業の実務課題となっている。